母親から電話で
「腰を骨折して入院」だと知らされる。
薬カレンダーがまたわからなくなって、何を飲んだか、いつ飲んだかがわからなくなって。親父ともめたらしい。
そのはずみでこけて。
救急車で近くの病院へ運ばれた。
レントゲンではわからずMRで精密検査。折れていた。
骨折はまあ、ギプスやコルセットで固めて安静にしておけばなんとかなるかもしれないけれど。
入院は全ての機能が衰えるし、刺激が少なくなるので認知症には最悪。
しかも「不安」でいっぱいになるので一番悪い。
一人部屋に入院してるのだけど、今年はとても暖かく、部屋が暑いらしい。
暑い暑いと、電話かけてくる。
見晴らしのいい部屋なんだろう。一日中日差しが入って暑くて苦しいらしい。
老人は「暑さ、寒さ」がわかりずらいというけど、これは感覚的なことが衰えてくるからかもしれないなぁ。
腰は痛いし、暑いしで、とにかくイライラして不機嫌で。
「なんで私ばっかりこんな目に」
すごくよくわかる。
認知症は不安になる。
記憶がわからなくなることを認識してるから。
こんなときに周りの人ができるのは
- 痛みや不安への共感
- でも大丈夫だよという明るい未来への想像
この二つだ。
「そんなこと言っても病気だからしかたないだろ!」
「不注意だから怪我するんよ!」
こういうのが一番いけない。
認知症は「全部がわからない」わけじゃない。
人間としての尊厳もあれば、それを失う恐ろしさもわかってる。
だから、ひたすら穏やかに対応することが大切で。
僕はとてもそれが苦手だった。
今回の母親の認知症で、僕自身も少し鍛えられてるかもしれない(笑)
ただ、親父のショッックはなかなかだ。
わざとじゃないとはいえ自分が原因でもあるわけだし、
何しろ「日常生活」が送れるほど体力に自信もないようだ。
彼にとっての生きがい「地域のバレーボールの応援」にも杖をついてヘロヘロして行ってる。
親父も今回のことではけっこうグチの電話をかけてくる。
僕はそれを聞き、やはり「共感」と「明るさ」で対応しようとしてる。
僕自身にもストレスはたまるんだけどね。
今日から10日、救急病院での入院生活だ。
認知が進まないことを願う。
